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さくらのクラウドを使ってみました

sakura_map

弊社では自社データセンタでの運用、他社データセンタの運用の他に、
既存システムと他社クラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドもございますが、
この度さくらのクラウドを検証しましたので、
成果の報告とIIJのGIOホスティングパッケージとの比較も行ってみました。

種類 さくらのクラウド IIJ GIOホスティングパッケージ
設置場所 石狩 松江
SWAP領域
(仮想メモリ)
利用者側で設定可能 設定不可
仮想化方式 KVM Xen
ホストCPU Intel(R) Xeon(R) CPU X5675 @ 3.07GHz Intel(R) Xeon(R) CPU E5645 @ 2.40GHz
対応OS 様々なOSに対応 CentOS6のみ
WAN接続 共有インターネット(標準): 最大100Mbps
ルータ+スイッチ(オプション): 100~1000Mbps
インターネット側、ローカル側を合算し、
サービス単位で上限設定あり
(30Mbps~300Mbps)
LAN接続 スイッチ(オプション): 1Gbps接続 プライベートLAN: 標準提供
追加VLANはオプション
インターネット側、ローカル側を合算し、
サービス単位で上限設定あり
(30Mbps~300Mbps)
ネットワーク制限 L2TPv3を含むL2VPN系は通信不可でした。
tcpdumpを見てみると、ARPの段階でこけているようです。
OpenVPNを使ったL3VPNは問題なしでした。
未検証
標準提供ディスク なし(オプション) HDD: 30GB
オプション提供ディスク HDD: 20GB~1TB
SSD: 20GB/100GB
HDD: 100GB/300GB/500GB
高速HDD: 300GB
NFSオプション オプション提供なし NAS/Bオプション: 100GB~500GB
ベーシック契約: 帯域30Mbps制限
スタンダード契約: 帯域80Mbps制限
ロードバランサオプション オプション提供あり(L4)
(LVS相当と思われます)
注意: 最大性能100CPS
セッション維持機能無し
公開ゾーンはルータ+スイッチ契約必要
オプション提供あり(L4/L7)
(Zeus Simple Load Balancer)
クライアントIPアドレスのログ記載は専用モジュール組み込み必要
https://github.com/bhgraham/mod_zeus

ぱっと見たスペック部分ではこんな所でしょうか。
IIJのロードバランサーオプションはグローバルロードバランサー機能もあり、
冗長構成の契約では最大4VIPまで登録可能で、
IIJクラウド以外のサイトでも利用できるなど高性能で魅力的ですが、
10Mbps単体でも18000円/月、100Mbps冗長構成だと10万を超えてしまうのが難点です。

 

■ ディスク速度計測
まずは両社クラウドのディスク速度を計測したいと思います。
測定方法にはddコマンドを用い、ブロックサイズ1M×10000個=10GB分作成し、5回測定を行いました。

dd_cloud

さくらのクラウドが思ったよりも速く、SSDは単体SSDと変わらないパフォーマンスです。
IIJの方はもう少し速度が出れば・・・という所が残念です。

グラフには出してないですが、複数間のサーバーでNFS共有を利用した場合、
さくらのクラウドでDRBD+heartbeatで冗長構成のNFSサーバーを構築した場合は20MB/s前後ですが、
IIJ GIOホスティングサービスのNFS/Bオプション(ベーシック)では、
30Mbpsの帯域上限が設けられており実効速度は3.75MB/sまでしか出ません。

 

■ ネットワーク速度計測
次にさくらのクラウドのネットワーク速度を計測したいと思います。
ギガビット接続と言ってもあくまで論理上の数字ですのでどのくらいの速度が出るのか確認してみました。

計測方法は同じネットワーク領域に2台のサーバーを用意しオプション契約のスイッチに接続、
iperfでそれぞれパケットサイズを変更し、60秒平均の速度を計測しました。

iperf_sakura

通常であれば点線に近いような弧線を描くのですが、やや上下があるグラフとなりました。
とは言え最大150Mbps前後(瞬間では250Mbpsまで計測)は期待できそうです。

 

■ 定点速度計測
最後に実環境に近い速度検証を行ってみたいと思います。こちらは両方のクラウドで計測しました。
計測方法は1.5MBのファイルをサーバー上に置き、定点から5回取得し平均時間をグラフ化しています。
サービスの違いはありますが、構成はほぼ同規模としました。

運用環境ではこのような監視も役に立ちます。
例えば「サービスは正常なんだけど、この時間だけなんとなく遅い」というような
大雑把な質問に対して調査する場合に、この監視方法は便利です。

種類 さくらのクラウド IIJ GIOホスティングパッケージ
ウェブSV2台 2コア/4GBメモリ、Keepalive有効 2コア/4GBメモリ、Keepalive有効
データ保存領域 2コア/4GBメモリ×2台のSVを用意
DRBD+NFS+HeartbeatのNFSサーバーを構築
NFSベーシックオプション
LB契約/設定 冗長100Mbps/ラウンドロビン 冗長100Mbps/ラウンドロビン
LB設定 ラウンドロビン ラウンドロビン

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さくらのクラウド計測結果(左) ・ IIJ GIOホスティングパッケージ計測結果(右)

グラフの緑は合計時間(接続+応答+データ転送時間)、青はデータ転送時間を表しています。
IIJ GIOホスティングパッケージでは共に500ms前後と安定した速度が出ていますが、
それに対しさくらのクラウドでは緑が500ms~2000msを行ったりきたりしており、
平均でも1000msと待ち時間が発生している事が分かります。

そこで手動で計測してみると面白い事が分かりました。
通常のサーバーの応答時間は物理環境で約15ms、クラウド環境では20~50msが一般的ですが、
さくらのクラウドでは接続時間が30ms前後の時もあれば、3000msに上る事もあり、
実際にインストール後にSSHで初回ログイン時も高い確率でタイムアウトする事がありました。

詳しい原因までは調べ切れていませんが、
他のサイトを見ても類似した記載がありましたので、何かがありそうです。

 

やはりIaaS系のクラウドはイニシャルコストがかからず、スモールスタートができる点が魅力的ですね。
自社運用と比べても2年未満では機器仕入れのイニシャルコスト分でさくらのクラウドに軍配が上がります。
ディスクを2TB以上積む場合では8ヵ月で逆転したりと、
オプションを付ける要件によって変わるため案件によって使い分けたいと思います。

 

2013/8/27追記: 接続時のトラブルに関する追加情報を別記事でアップしましたので併せてご確認ください。

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